鷹野雅弘(スイッチ)
最終更新日: 2014年6月26日 3:46 am
6月7日のヒロハタ「キックオフ・イベント」を通して、このプロジェクトが何であるのか、また、進むべき道がわかってきました。 これを共有します。
あわせて、いくつかの名称を変更します。
一見すると「金ばらまいて終わり?」と取ってしまう方がいるのはムリもありません。しかし、このヒロハタ(ひろしま発人材集積促進プロジェクト)は、まったく異なるものです。
ビジネスプランを持っている人が、(大げさですが)“自分の人生を賭けて”取り組む創業を支援する、というのが従来のフレームワークであり、自治体や支援団体はビジネスプランの善し悪しを判断し、それに対して、オフィス環境(インキュベーション)やお金の面でのバックアップを行うというカタチが一般的だからです。
※プロジェクトに参加するために必要な交通費・活動経費・会場における飲食代等は自己負担となります。
このように記されている通り、運営費すら支援されないのが「ひろしま発人材集積促進プロジェクト」です。
このヒロハタ(ひろしま発人材集積促進プロジェクト)、広島に優秀な人材を呼び込み、また、広島に在住いただくことができないか、というのが根底のミッションです。
これに関して、県の方が私の事務所に相談に来られ、いくつかのアイデアを出していく流れで、私に「指導者」という役割が与えられました。
そこで出たアイデアは、次のものです。
それぞれビジネスプランとしては弱く、おそらく、これをもって創業とすることは難しいアイデア。しかし、ひとつのアイデアのタネを元に、いろいろな方が関われる機会となる可能性を秘めています。
たとえば、『北海道の楽しい100人』は、ジャンルを問わず毎回4名のゲストをお呼びして、各15分喋ってもらうというイベント。参加費は500円、講師料は3,000円というフォーマットが決まっているため、イベントのみで収益を上げるというビジネスモデルは成立しません。
しかし、このイベントを通して、ぱっと思いつくだけでも、次のような方が絡むことができます。
イベントだけでなく、アーカイブ(=記録)のボリュームが増えることで、あるときに劇的な変化がでるでしょう。「生で聞いた方がいい」だけでなく、「読んだ方が理解しやすい」「動画で見た方がわかる」など、受け取る側の趣向や時間的な制作などを超えて、アーカイブ構築とされることで、たとえば、新聞やタウン誌への転載、単行本化などが見えてきます。
喋る方はもちろん、そこに参加される方同士の化学変化(ケミストリー)も見逃せません。そこに生まれる出会いから、人材の流動や新しいビジネスが生まれます。
先にふれたように、創業は、“自分の人生を賭けて”取り組むべきものですが、私が考えているヒロハタは、創業支援とは大きくニュアンスが異なります。
確固たるビジネスプランを持っていなくても、なんらかのスキル、ちょっとしたやる気があればジョインできる、というのがヒロハタです。
というのは、「最大200万円の支援金」といっても、これが出るのは数年後、もちろん、優秀と認定されたグループのみです。この間、各グループには運営費のようなものがありませんので、“自分の人生を賭けて”いたら、家賃も払えません。
いい意味で「片手間」。本業があるからこそ、取り組むことができることが重要です。これは「キックオフ・イベント」で紹介されたSHAREFLの考えに通じるところがあります。
「キックオフ・イベント」で、「県や指導者は何をしてくれるのか?」という質問が出ました。期待しないでください。ヒロハタに限らず、人生で他人が何かをしてくれることはありません。
「キックオフ・イベント」のスクリーンが模造紙を貼り合わせたものであることからもわかるように、県が用意している予算は本当に微々たるもので、使える予算は限られています(ご参考までに、ヒロハタ「キックオフ・イベント」は、CSS Nite in HIROSHIMA実行委員の無償サポートによって成立しました)。
ちなみに、会社経営をされている方ならおわかりになると思いますが、「最大200万円の支援金」も、人を雇えば、一瞬で消えてしまう金額です。
今回、私は「指導者」となっていますが、「指導」とはおこがましく、いうなれば、単なる「触媒」といった役割です。
広島の外だからこそ見える視点、そして、20年弱の会社経営やCSS Niteを通してのプロジェクト運営などからの意見を、指導やアドバイスといった「上から目線」でないところから共有します。
そこで、どうしてもしっくり来ない「指導者」というジョブタイトルを、勝手ながら、「プロジェクト・カタリスト」と変更させていただくことにします。
あくまでも主体は、プロジェクトの参加者。「県や指導者は何をしてくれるのか?」でなく、自分たちが何をできるかを考えましょう。
2014年から、月一回くらいのペースで「定期セミナー」が開催される、と報道されていますが、これは大きな間違いです。
「セミナー」でなく、いわば進捗報告会。いわゆる「一方通行で講師から教える」タイプのセミナーではありません。そもそもプロジェクトによって、求める情報は異なりますので、画一的な何かを講師からお伝えするというのはムリがあります。
「進捗報告会」というマイルストーンがあることで、そのタイミングまでに“何か成果を出そう”、“少しでも進めよう”、という後押しになります。また、その報告を共有することで、ほかのユニットの活動が刺激になったり、協力体制を持つなどのシナジーが生まれる場所です。
そのため、「定期セミナー」は、レギュラー・ミーティングという名称に変更します。
先にお伝えしましたように、ヒロハタは「なんらかのスキル、ちょっとしたやる気があれば、ジョインできる」というところが重要なところです。
つまり、各ユニットのスタート時、ユニットに属していなくても、「あ、それだったら、手を貸せます!」と思いついたら、どんどんユニットにジョインできます。
ここ最近、「マキコミ力」ということばがよく使われますが、いうなれば、これは「マキコマレ力」と呼んでもいいでしょう。
SHAREFL同様、会社の垣根はもちろん、ユニットの垣根を跳び越えることはもちろん、ユニット同士が合体することもありです。
そういう意味では、マンスリーで行う予定のレギュラー・ミーティング(定期セミナー)(マスコミでは「無料イベント」と称されていますが、内容はまったく異なります)は、一方通行で何かを教わるような場ではなく、いわば進捗報告会であり、各ユニットの相互作用、および、参加していない方が巻き込まれる場という意味合いを持っています。
そのため、レギュラー・ミーティング(定期セミナー)は、プロジェクトに参加されている方以外の参加も歓迎です。
「キックオフ・イベント」にて「法人でも(プロジェクトに参加して)いいの?」という質問が出ました。今回のプロジェクトの趣旨上、ひとつの会社で完結しないものであれば歓迎です。
つまり、その会社以外の方をどう巻き込むか、この視点をもって参加してください。
別の視点からいうと、このプロジェクトでは、各ユニットに支援費用が出ません。マネタイズできるところまで時間がかかるものは、法人が事業のひとつとして行うことで継続しやすいといえます。
このあたり、「キックオフ・イベント」で紹介されたトライポッドの取り組みに学ぶところが多いと思います。
このプロジェクトの成功には、「各ユニットの運営には携わらないが、協力や支援する外部団体」の存在が不可欠だと考えています。
たとえば、次のようなものです。
おそらく多くのユニットが、「広島」をテーマにアイデアを練っていくでしょう。そのとき、企業やマスコミの後押しが不可欠です。
あわせて、<プロジェクトには参加しない人>の存在も不可欠です。
私としては、次のように考えています。
ガッツリとジョインする方はもちろんですが、「なんとなく、おもしろそう」や、「正直、批判的に見ているけれど…」という冷やかしの方も歓迎です。
「広島のために何かしたい/してみたい」というアイデアの種を、いろいろな方が巻き込んで一緒に育てていきましょう。これがヒロハタです。
「ひろしま発人材集積促進プロジェクト」でプロジェクトということばを使っているため、そこに参加される方(グループ)の単位は「ユニット」と呼ぶことにします。
そのほか、このプロジェクトで使われる用語を再定義します。
名称 | 意味など | (旧) |
---|---|---|
ヒロハタ | 「ひろしま発人材集積促進プロジェクト」の愛称 | |
プロジェクト | 「ひろしま発人材集積促進プロジェクト」のこと | |
ユニット | ヒロハタに参加する個人/グループの単位 | |
プロジェクト・ カタリスト |
(鷹野 雅弘) | 指導者 |
アシスタント | ヒロハタを推進していく実行部隊 | |
レギュラー・ ミーティング |
月一回くらいのペースで行われる進捗報告会 | 定期セミナー |